水彩絵の具作り

f:id:konkons:20180403093758j:plain
水彩絵の具作り、というかパレット作りを一からやってみることにした。理由はいくつかあるけれど、大体試験前に部屋を片付けだすのと同じ。
もともと絵の具は顔料と展色剤を混ぜて自作していたのだけど、今回展色剤を自作するのではなく市販のホルベインのものにした。
普通の透明水彩の展色剤の作り方は水100にアラビアゴム30、グリセリン5と防腐剤5滴。それで透明水彩の展色剤になるけれど、自分は顔料の比率を多く、少し不透明にしたかったのでアラビアゴム20gくらいで展色剤を作っていた。
ただこの展色剤は顔料によっては細かくひび割れしたり、有機顔料にはエタノールを含ませないと絵の具にならなかったりと、色々と煩労があった。
今回特に絵の具の細かいひび割れを何とかしたかったので色々比率を変えて試していたのだけれど、市販のホルベインとラウニーの展色剤を試してみたらホルベインがそうした細かいひび割れはなく、一番綺麗だったのでホルベインに統一することにした。

ホルベインの展色剤は高濃度アラビアゴムと書いてあり、粘性からしてもアラビラゴムは30%より多い。実際どれくらい上げれば同じ溶液になるのか、実はなにか別のものも混ぜてるのかはよくわからない。これもいつ廃盤になるかわからないので自分で作れるようにならなければ…とは思うけれど、まあそれよりシュミンケあたりの絵の具を買い揃えたほうがあらゆる意味で正しい気はしている。

ただまあ、今回色々試していて2つ勉強になった。
ひとつはグリセリン世界堂で売っていること(今まで薬局で買ってた)
もうひとつはグリセリンを顔料に直接混ぜても発色はあまり変わらず、乾きもかなり遅れるということ。
というのも顔料によって細かいひび割れを起こしてしまうのは、グリセリン(保湿)がその顔料には足りてないからなのではと思っていたのだけど、ホルベインの展色剤を見るに、どうもアラビアゴムの量の問題らしい。
アラビアゴムは透明度を高めるという他に、顔料の隙間を繋いで固着させる役目もあるそう。実はみんな知ってるのかもしれないが。
あとは練った絵の具の厚ささえ気を付ければあまりひび割れは起きない。というかひび割れ、パレットからの剥がれは起きるけれど、細かいひび割れは起きない。

グリセリンを多く混ぜるだけだと絵の具はいつまでも乾かなかった。これだと持ち運び等には適さないので失敗なのだけど、そのかわりどれだけアラビアゴムを減らしてもひび割れないので、ガッシュとして家で使う分には問題なさそうということを思いついた。
なのでホワイトだけはそれで作ってみようと思う。まだ試していないので使えないかもしれないけれど。

ちなみにそれらを試したのがこちら。
f:id:konkons:20180403093348j:plain
試した顔料はカドミウムイエローオレンジとイミタゾロンブラウン。
展色剤は左からホルベイン、ラウニー、自作の展色剤、顔料は奥がカドミウムイエロー、手前がブラウン。グリセリンは自作の展色剤とブラウンを混ぜるときだけ使った。
これは混ぜたばかりの状態。

一日半ほど置いてからの写真がこちら。
f:id:konkons:20180403093606j:plain
自作の展色剤のカドミウムイエローがびっくりするくらい粉々になっているのは、単純に顔料に混ぜるときの展色剤が少なすぎたのかもしれない。
ラウニーの展色剤を混ぜたカドミウムイエローは写真からは分かりづらいけれど、全体が剥がれて絵皿から浮き上がってしまっている。
ホルベインはそういったこともなく落ち着いている印象だったけれど、やはり一週間ほどで同じようにはなった。この辺は顔料と展色剤の比率を間違えてるのか、他に理由があるのかよくわからない。
そもそも絵皿にしよ、パレットにせよ、アラビアゴムとの接着はあまり相性がよくない気がする。案外油絵のパレットを使えば上手くいくのかも…。まあそれだったら誰かが使っていそうだけれど。

何にせよ、ホルベインの展色剤が一番使いやすそうという結論になった。
それにはもうひとつ理由がある。
上記の6色でそれぞれ試し塗りをしてみたところ、ホルベインがぼかしが最も綺麗だった。
まあこれは当たり前の話で、アラビアゴムの比率が高ければ高いほど透明性が増して顔料が紙の上に残らなくなるんだろう。
以前は不透明感や物質感が欲しいと思っていたけれど、肌を塗る際ボディーが出てしまうのはあまり好きになれなかったのと、ぼかしもホルベインの展色剤と比べて顔料が紙に残ってしまうきらいがあり、ホルベインが一番使いやすそうだった。

パレットに色を置いたところ。
f:id:konkons:20180414124506j:plain
今回は最初あまり暗い色を置かないでおこう…と思いバーントアンバーやローアンバーは最初外したのだけど、やはり無いと色々と面倒だった。
それと少し使ってみて、やはりパレットから剥がれてまう絵の具が多かった。この辺はある程度解決したのでまた後日改めて。

話は脇道にそれるけれど、今回はじめてシュミンケの顔料を使ってみた。
アイボリー。
f:id:konkons:20180414124552j:plain
ウルトラマリンバイオレット。どちらもお値段4000円ほど。
f:id:konkons:20180414124626j:plain
値段はかなり幅があり、安くて2000円、高くてなんと12000円くらいの価格のよう。使ってみて、やはり発色の綺麗さが安価な顔料とはまるで違う…と言いたいけれど、もう自分にとってはオカルトオーディオと似たような世界だ。高いことを知っているから綺麗に見えるだけで、何も知らずにみてどれが高価な顔料かと聞かれてもおそらく分からないだろう。
まあ、それでも買いたくなる程度にはオカルト好きなので、画材屋では誘惑を断ち切るのに大変だったけれど。
実際ウルトラマリンレッドはとても綺麗に見えた。
発色の良さなのか、濁りのなさなのか…。ただそれも結局は他の色との兼ね合いや混色でいくらでも変わってしまう。あまり執着しても意味がない…(と言い聞かせる)

さて、どこに何色を置いたのか、写真をみて分かるとは思うけれど、念のため書いておきたい。
右上からオーレオリン、パーマネントイエロー、カドミウムイエローオレンジ、ローシェンナ、ゴールドオーカー、バーントシェンナ、アイボリー、ローマンレッド、イミタゾロンオレンジ、イミタゾロンブラウン、バーミリオン、チャイニーズレッド、ローズマダー、ピンクマダー、キナクリドンレッド。
下の段にいき、ローズバイオレット、ミネラルバイオレット、ビリジャン、パーマネントグリーン、オキサイドオブクロミウム、テールベルト、オリエンタルグリーン、ウルトラマリン、コバルトターコイズ、コバルトブルー、ウルトラマリンレッド。

ただこの記事を書いている間にパレットから何色か剥がれてしまい、別の絵の具に変えたり接着し直したりしている。

それにしても水彩の展色剤の作り方が書いてあるサイトはあるけれど、実際に絵の具を練ってみたというブログは見当たらないなと思う。
単純に顔料と展色剤を混ぜただけではひび割れや剥離を起こすことが多く、そもそも絵の具にならない顔料もあったりする。今回緑系のビリジャンなどはパレットから剥がれてしまったし、以前自分の作った展色剤ではバンダイクブラウンが練れなかったりしたので、そういった時にもう少し参考になるサイトがあればいいなと思う。
まあ試行錯誤も楽しいけれど、今回無駄に時間をかけてしまった。
次に纏めるのがいつになることやら…。