こんこん

斉藤康次(こんす)です。良い感じの水彩の人物画を描くためのブログ。

ターナー展3-当時の水彩-

やはり水彩好きとしては当時の水彩は気になる。
水彩の歴史はイギリスを辿るもので、その歴史のなかで一際輝くのがターナーとガーティンだと思う。
この二人は、ペンなどで下書きをしてから淡彩で着色、というそれまでの主流から離れ、重色によって色の強さを見せるということを意識的にはじめたらしい。


重色をするようになるということは、必然的に現代でも行う技法を扱うようになることだと思う。ドライブラシやリフティング、スクラッチやウェットオンドライなどは、色味の強さを出すために使われることが多い。そしてこれらの技法はターナーも使っていて、このころにターナー含むイギリスの水彩画家によって確立したのではないだろうか。


ターナーが使っていた水彩紙はワットマン。「あれ、ワットマンて今もあるよね?」と思ったのだけど、10年ほど前に製造中止になったそう。今はアヴァロンが後継紙らしいけれど、紙質は違うらしい。ターナーが使っていた当時から高級水彩紙として使われていた。
関係ないけれど、ウォーターフォードもラングトンもイギリスの水彩紙らしい。言われてみればそこはかとなくイギリスっぽい。


絵具のチューブは産業革命と同じころに発明されたものかと思っていたけれど、意外と遅く、1828年にピストン式の真鍮のシリンジが考案されたそうだ。それまでは豚の膀胱が保存袋として使われていた。
もっともこれは油絵の具の話で、水彩を固めて保存する方法は18世紀には開発されていた。水彩画家は今と同じようにパレットを持ち歩いて作業していた筈。


産業革命、戦争による愛国精神、グランドツアーなど様々な要因で、もはや必然的に発達していったイギリスの水彩画。
日本ではターナーがクローズアップされるけれど、いつかガーティンも取り上げてほしいと思う。
ガーティンは夭逝した画家でターナーと同い年だが27歳で亡くなった。ターナーはガーティンの影響を強く受けているけれど、二人の作品を比べたような展覧会は観たことがない。
自分もガーティンの作品を観たのは大分昔で、その時はガーティンということもわかっていなかった。
日本でどのくらいの知名度があるのかは分からないけれど、いつか観てみたいなと思う。